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2023.04.11
【Wingsこそだてゼミ】第6回:アタッチメントはなぜ大切?家庭と教室それぞれでの育み方
アタッチメント(Attachment)という言葉を聞いたことがありますか?生まれてから1歳半頃までの子育てにおける、最も大切なキーワードの一つなんです。
今回のこそだてゼミでは、このアタッチメントがなぜ重要なのか、家庭や保育所でどのように育むことができるのか、教室での例を挙げながら紹介します!
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目次
このブログはこんな人に読んでほしい
- これから子育てが始まる方
- 現在2~5歳のお子さんをお持ちの方
- 子どもを幸せにするヒントが欲しい方
- アタッチメント形成について知りたい方
- 子育て方法について模索中の方
自己紹介
はじめまして!Wings Global Homeのインターン生、Rioと申します。
第5回の記事を担当したNanaさんと一緒に、Wingsこそだてゼミを回替わりで執筆することになりました。よろしくお願いします!
現在、東京大学教育学部4年を休学中で、来年夏から半年間、交換留学でスウェーデンに渡航する予定です。1年間働いていた人材系ベンチャーの長期インターンを今年7月に退職し、2社目に挑戦するなら留学を見据えて英語力を磨きつつ、日本の教育現場に入り込んでみたい…そう思っていた時に出会ったのが、Wingsのインターンでした。
中学入学と同時にABCから英語を学んだ私にとって、幼少期からバイリンガル教育を受けられるWingsの環境は羨ましくもあり、子どもたちの吸収力に日々感心しながら働いています!
それでは今回も、エビデンスに基づいて正しいとされる教育が、実際に教育現場でどういう効果を発揮するのか、検証していきましょう!
なぜアタッチメントが大切か
アタッチメントの考え方は、イギリスの精神科医ボウルビィによって提唱されました。Attachmentは日本語では「くっつき」「付着」と直訳されますが、子育ての中では子どもと養育者の間の情緒的なつながり、愛着のことを指します。それはすなわち、無条件に愛情がもらえる親子の信頼関係のことです。アタッチメントの特徴は子どもの年齢によって異なり、以下の4段階に分けられます。
- 出生~生後12週頃 誰に対しても、泣く、微笑むといったアタッチメント行動を向ける。
- 12週~6か月頃 特に家族の声や顔に反応し、微笑んだり声を出したりする。
- 6か月~2,3歳頃 家族、それ以外で人の違いが分かるようになる。また、何が自分の不安を取り除き、安心感をもたらすかを少しずつ理解する。
- 3歳頃以降 家族との経験をベースに、家族以外にもアタッチメント関係を作るようになる。
このように、早い段階でアタッチメントが育まれることで、「自分は守られている」「自分は愛されている存在だ」という安心感を得ることができ、いつでも帰れる場所があるからこそ新しいことに挑戦できるようになります。アタッチメントは、親子関係を良好にするだけでなく、将来の可能性や対人関係を開くカギにもなるのです。
アタッチメントの形成方法 ①家庭内
表情や声でアタッチメント行動を見せるようになる、生後12週~6か月頃。この時期は、母親をはじめとした家族との関係性が特に重要とされています。
家庭内でのアタッチメント形成のために、どんなことができるでしょうか?まず挙げられるのは、抱きしめる、語りかけるといった自然なスキンシップでしょう。これに特別なテクニックは無く、日々ストレートに愛情を伝えてあげることが大切です。
そして、家族が果たせる役割として最も大切なのは、「安全基地」=どんな時でも自分を守ってくれる人になることです。これは、家族を離れて何かに挑戦する上(母子分離など)で特に必要とされるため、次の項目でも見ていきましょう。
アタッチメントの形成方法 ②教室の中
1歳~3歳頃は、親から自立し始める時期を迎えます。
お子さんが幼稚園に入園したての時を想像してみてください。初めての幼稚園は、子どもにとって未知で不安の多い環境でしょう。園生活の中で不安や恐れといったネガティブな感情が湧いても、家に帰れば家族が守ってくれて、安全・安心感を回復できる。そしてまた翌日幼稚園に登園して、不安なことにもチャレンジしてみる…
このように、親が「安全基地」としての役割を適切に果たしていれば、安全のサイクルを繰り返しながら、子どものやる気や自律心を育てられるのです。
安全基地になるためにできること
- 「頑張ったらできるようになったね!すごい」「助かったよ、ありがとう」と、子どもが頑張っていることを認め、褒める
- 「○○ちゃんはどうしたらいいと思う?」「そうなんだ、嬉しいね」など、言葉や気持ちのキャッチボールをする
- 不安を感じている時は、「辛かったね、もう大丈夫だよ」「何があっても味方だよ」と優しくなぐさめる
実は、アタッチメント形成は親だけではなく、他の大人との関係性においても重要なのです。「三歳児神話」という言葉があるように、子どもが3歳になるまでは母親が育児に専念するべきだ、と考える人もいます。しかし、厚生労働省は
三歳児神話には、少なくとも合理的な根拠は認められない
『厚生白書(平成10年版)』(厚生労働省)
とし、母親だけではなく教育機関や地域社会の手を借りながら、多くの手と愛情をかけて子どもを育てることが望ましいとしています。
また、米国の研究者Howesらによると、
生後12か月の時点で養育者以外の保育者と安定的なアタッチメントを形成した子どもは、9歳までの時期に、保育所や学校において仲間や教師と良好な関係性を構築していた
‘Stability and Continuity of Child-Caregiver and Child-Peer Relationships'(Howes et al., 1998)
ことが分かっています。3歳になる前でも家庭に外に教育の機会を持つことで、子どもの社会性の発達にポジティブな影響があるのです。では、実際の教室でアタッチメントが形成される様子を見てみましょう!
Wingsの教室におけるアタッチメント形成
Wings Kids Familyは、バイリンガル教育を行うスクールです。英語が飛び交う一見難しそうな環境にもかかわらず、1歳児を含む多くの子どもたちが安心して教室に通っているのはなぜでしょうか?
そのヒントは、先生たちの人数と関わり方にあります。例えば、2~5歳児が通う「プリスクール」「バイリンガルコース」の様子を覗いてみましょう。
朝8~10時にかけて、子どもたちが続々と教室に到着します。玄関では先生たちがお出迎え。送りに来たパパママと離れる時に泣き出す子はおらず、自分の荷物を指定の場所に置いて、皆が集まるテーブルに元気に向かいます。二つのコース合わせて生徒数は25人、先生は6人(Wingsでは、生徒3~5名に対して先生が1人が標準)です。
到着して最初の30分はSnack Time。先生たちが繰り返し子どもに名前で呼びかけ、英語で色々な会話をしながらお菓子を楽しみます。子どもが何か話し始めた時は先生がすぐに反応し、「ちゃんと先生が見てくれてる」という安心が一人ひとりの表情から感じられました。
お昼ご飯後、みんなで英語の歌を歌っている時間に、ある子が突然泣き出しました。すると、一人の先生がすぐに駆け寄って抱っこし、みんなから少し離れた場所に移動します。泣き止むまでずっと隣に座ってなぐさめ、数分後に落ち着いたら、またみんなの輪に戻って再び楽しく歌い始めました。
これらはまさに、先生と子どものアタッチメント形成の分かりやすい例です!多くの幼稚園が先生1人に対して生徒が25~30名であることを考えると、少人数制のWingsでは一人ひとりに目が行き届き、どのお子様も「何かあればいつでも先生達を頼っていいんだ!」という確信の下、深い信頼関係が築けていることが分かるでしょう。教室で不安になることがあっても、先生が安心感を与えてくれる、また次のことにチャレンジできる。安心のサイクルを回す環境が整っているので、英語が初めての子どもでも、すっとバイリンガル教育に馴染むことができるのです。
まとめ
- アタッチメントとは、子どもと親の情緒的なつながりのこと
- 将来の可能性、対人関係を開くカギになる
- 家族は、子どもにとっての「安全基地」になることが重要
- 保育所でのアタッチメント形成は、子どもの社会性発達にポジティブな影響がある
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いかがでしたでしょうか?子どもの将来に大きな影響を与えるアタッチメント形成は、家庭内だけでなく教室内でも行われることが分かったかと思います。
第7回のWingsこそだてゼミもお楽しみに!
参考文献
・初塚眞喜子 『アタッチメント(愛着理論)から考える保育所保育のあり方』 https://www.soai.ac.jp/univ/pdf/kenkyu_h1hatuduka.PDF
・厚生労働省『厚生白書(平成10年版)』https://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/hakusho/kousei/1998/dl/04.pdf
・Carollee Howes, Claire E. Hamilton, and Leslie C. Philipsen(1998).Stability and Continuity of Child-Caregiver and Child-Peer Relationships: Child Development, April 1998, Volume 69, Number 2, Pages 418-426
・石川県教育委員会事務局生涯学習課『お子さんの安全基地になっていますか』https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kyoiku/syougai/oyamanabi/documents/okosanno.pdf
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