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2023.04.11
【Wingsこそだてゼミ】第4回:幼児期が将来を左右する!子供の非認知能力の育て方
「非認知能力」という言葉を聞いたことがありますか?
これは幼児期に伸ばすことで一生影響を受けるとも言われる、近年注目を集めている力なんです。実際に、文部科学省が幼児期の教育の目標として掲げた「生きる力」にも非認知能力に当たるスキルが含まれています。
今回のWingsこそだてゼミでは、この非認知能力とはどんな力なのか、そしてどうやったら伸ばすことができるのかを一緒に見ていきます。
目次
このブログはこんな人に読んでほしい
- これから子育てが始まる方
- 現在2〜5歳のお子さんをお持ちの方
- 子供を幸せにするヒントが欲しい方
- 非認知能力を伸ばす子育てについて知りたい方
- 子育て方法について模索中の方
非認知能力とは?
非認知能力と認知能力
いままで子供の力を測ることに主に使われていたのは「認知能力」と言われる力でした。認知能力は、テストの点数・偏差値・IQ(知能指数)のように数字にして測ることのできる学力などのことを言います。
私たちが今まで受けてきた学校のテストの多くは、認知能力を測るためのものだったんだね。
一方で非認知能力とは、数字では測ることのできない、お子様の生まれ持った性格や性質としてとらわれることが多い能力のことです。例えば好奇心・集中力・協調性・自立心・主体性などのことを言います。また、第3回のブログでお話した「やり抜く力」も非認知能力の中で注目されている力のひとつです。
非認知能力の重要性をといた「ペリー就学前プログラム」
非認知能力が世界的に注目されるきっかけとなったのは、アメリカで実施された「ペリー就学前プログラム」です。
ノーベル経済学賞を受賞するジェームズ・J・ヘックマン教授が、この結果から「5歳までの環境によって人生は決まる」と幼児期の教育の重要性を唱えたんです!
ペリー就学前プログラムは、アメリカで特に貧しく教育が受けられない家庭の3~4歳の58人の子供たちを対象に行われました。幼児教育のサポートが行われた子供たちを、その地域の一般的な他の子供たちと比較して成果を測りました。また、その後40年以上にわたってその子供たちがどのように成長したのかを追跡して調べたのです。
サポートを受けた子供たちは毎日2時間半、教室で授業を受けます。さらに週に1度は先生が家庭訪問をし、90分間の指導を行いました。先生は子供たち自身に考えたり協力したりする課題を出し、家でも復習することなどを求めたそうです。このような就学前教育は30週間実施されました。
非認知能力を伸ばすとどんないいことがあるの?
プログラムによって生まれたIQの差はプログラム終了後にはなくなってしまったといいます。一方で追跡調査の結果を見てみると、幼児期に就学前プログラムを受けた子供のほうが、自己実現という意味で人生に成功しているというのです。
人生における成功は賢さ以上の要素に左右されるとしている。意欲や、長期的計画を実行する能力、他人との協働に必要な社会的・感情的制御といった、非認知能力もまた、賃金や就労、労働経験年数、大学進学、十代の妊娠、危険な活動への従事、健康管理、犯罪率などに大きく影響する。『幼児教育の経済学』ジェームズ・ヘックマン p.17
著者作成:出典「幼児教育の経済学」J・ヘックマン
学歴や収入、さらには健康状態から犯罪率にまで就学前教育の影響が出たといいます!たった30週間、3歳から4歳の幼児期に非認知能力を育てた効果が、その後大人になっても少なくとも40年間続くことが明らかになったのです。
前回のブログで紹介した「やり抜く力」と同じように、将来の子供の幸せのためには「非認知能力」を小さな頃から伸ばしてあげることが大切だとわかります。
子供の非認知能力はどうやって伸ばすの?
それでは、具体的にはどうやって非認知能力を伸ばすことができるのでしょうか。ここではご家庭でも実践できる方法をいくつかご紹介します。
子供の考えや感情を受け止める
子供たちは自分の存在が受け入れられていると感じて、帰る場所がある、守ってくれる人がいると感じられたときに、安心して外の世界のいろんなことに興味を持ったり挑戦したりできるようになります。保護者や先生など身近な大人の愛情をしっかりと感じることが、非認知能力を伸ばすはじめの一歩になるんです。これは愛着(アタッチメント)の形成ともいい、乳幼児の成長において非常に重要視されています。
このようにアタッチメントを形成することで子供たちが前向きにチャレンジをすることができるように、まずは子供の話に耳を傾け、見守ってあげる姿勢を大切にしましょう。
好きな気持ち・やりたいという意欲を応援する
好奇心やものごとへの意欲も非認知能力の一つと言われます。子供がやりたいと思った気持ちを尊重して、応援してあげるようにしましょう。お母さんお父さんがやらせたいことをただ強いるのではなく、子供がやりたいと思えるように環境づくりなどでサポートしてあげることが大切です。
こうして何かに楽しんで取り組むことや、新しいものごとへに興味を持つことに対する積極性を育てます。
努力を評価する
諦めない力や忍耐力も非認知能力のひとつで、前回お話したやり抜く力とも関係するスキルです。これらを伸ばすためには成功か失敗かという結果で判断するのではなく、努力した過程を評価する言葉がけをすることが大切です。
成功したときでも、成功したから偉いのではなく、そこまで努力ができたことを褒めてあげましょう。上手くいかなかったときには、そこまでの過程を一緒に振り返り、諦めずにまたがんばることができる環境を作ってあげることが大切です。
Wingsでの非認知能力を伸ばす取り組み
Wings Global Homeでは、バイリンガル教育を行いながら、非認知能力を伸ばすことを重要視しています。毎日のカリキュラムが、さまざまな力の育成のために設計されています。その例を見てみましょう。
ちいさな成功体験を繰り返す
Wingsに来る子供たちは2歳半の時から、到着したら自分でくつを脱ぎ、かばんやタオルやお弁当を指定の位置に置くことから1日が始まります。お家ではお母さんお父さんにやってもらえることも、ここでは先生に見守られながらまずは自分で取り組んでいます。
先生は声掛けで応援し、必要な場合だけサポートします。できたときにはたくさん褒めてもらい、それを毎日繰り返していくことで、最初はできなかったこともだんだんできるようになっていくんです。
このようにちいさな成功体験を積み重ねることが、子供たちの自信に繋がります。自分の力でやり遂げた経験は、子供達が次の目標に向けて挑戦するためにとても大切です。
ゴールに向かって努力する
また、WingsではJob Chartという取り組みを行っています。子供たちは毎週自分でやりたい係の仕事を選び、それぞれのゴールに向けて自分でお手伝いをします。
例えばお花の水やり、使ったおもちゃやホワイトボードなどのお片付け、ランチタイムの先生のお手伝いなどがあります。数ある係のお仕事の中から自分が1週間取り組みたいことを決め、誰かのために行動することを習慣づけます。集団の中での行動や、自分でやるべきことを考えて行動することが身についていきます。
非認知能力へのアプローチを続けた結果…
このような非認知能力を伸ばすための取り組みを続けた結果、子供たちにも実際に大きな変化が見られています。
例えばホワイトボードに向かって1時間近く、いすに座って先生と対話しながら英語を学ぶカリキュラムがあります。保護者の方は、お子様がシャイだから消極的なんじゃないか、集中力がなくて座っていられないんじゃないかとお考えのことも多いです。
ですが実際は、子供たちは先生と相互に関わりながら、質問に対して積極的に答えることにコミットしています。これは、毎日少しずつ積み重ねている自信が、集中力や主体性、新しいことへの好奇心を育てている結果だと言えます。
上の動画は、年中さんの子供たちがその日のアルファベットから始まる言葉を思いつく限り上げていくアクティビティの様子です。この日は「W」から始まる言葉がテーマで、積極的に子供たちが取り組んでいる様子が見られます。「Water」「Wash」「What」「Where」などの言葉が子供たちから出てきて、発音や意味を先生やお友達と一緒に確認しています。
他にもカリキュラムの内外で、お友達と協働する力や気持ちを理解する力を入園当初より格段に身に着けている姿が見られます。保護者の方は英語の発達だけでなく、その様子を見て驚かれることも多いです。
まとめ
- 非認知能力とは数字で測ることのできない力
- 好奇心・集中力・自立心・協調性などの多様なスキルを指す
- 幼児期に伸ばした「非認知能力」が大人になっても大きく影響する
- 毎日の働きかけで、非認知能力は伸ばすことができる
今までの日本の教育では、IQなどの認知能力が注目されていました。ですがついつい目が言ってしまうテストの点数だけではなく、この非認知能力を積極的に伸ばしていくことが子供の一生に関わってくるんです。
幼児期からの働きかけが効果的だといわれているからこそ、大切な時間をお子様とどう過ごすかをもう一度考えてみてもいいのではないでしょうか。
参考文献
・『幼児教育の経済学』ジェームズ・ヘックマン(東洋経済新報社)
・『非認知的(社会情緒的)能力の発達と科学的検討手法についての研究に関する報告書』遠藤利彦
https://www.nier.go.jp/05_kenkyu_seika/pdf_seika/h28a/syocyu-2-1_a.pdf
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