【Wingsこそだてゼミ】第9回:デジタル化が進む社会で求められる力って?〜ITリテラシーについて知ろう〜

デジタル化が加速する今日、私たちは生活の至るところでインターネットを利用し、メールやSNSで情報をやりとりしています。

コロナ禍での在宅勤務やオンライン授業の導入など、最近ではよりデジタル化社会の進展を身近に感じる方も多いのではないでしょうか。

子育てをしていく上で、子どもの身の回りに溢れるスマートフォンやタブレット、ゲーム機やインターネットとどのように向き合っていけば良いのか、悩んでいる方も多いかと思います。

今回のWingsこそだてゼミでは、

・情報に溢れるデジタル社会で求められる力とは何か

・ITリテラシーの定義について

・ITリテラシーを伸ばす上で大切なこと

・ITリテラシーを取り入れた教育現場とはどのようなものか

について、一緒に見ていきます!

毎日あふれるほどの情報の中で「IT教育って何?どうやって子どものITリテラシーを伸ばすことができるの?」と悩んでいる方は、ぜひこのブログを参考にしてみてみてください!☺️

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このブログはこんな人に読んでほしい

  • これから子育てが始まる方
  • 現在2~5歳のお子さんをお持ちの方
  • 子どもを幸せにするヒントが欲しい方
  • 英語教育について知りたい方
  • 子育て方法について模索中の方

目次

IT教育の広がり

科学の発展によって、私たちの社会はデジタル化が進み、今やさまざまな分野でAI(人工知能)が使用されています。

そんな中、IT教育・プログラミング・STEM教育・・・といった言葉を皆さんも耳にする機会が増えたのではないでしょうか?

文部科学省では「GIGAスクール構想」を推進し、小中学校で1人1台の端末を生徒に配布することや、高速通信環境を構内に整備することを発表しました。(※2)

総務省でも、情報リテラシー(ICTリテラシー)を身につけることの重要性について以下のように説明しています。

インターネット上の情報には様々なフェイクニュース・偽情報が流れており、また、個人情報やプライバシー保護も重要である。デジタル活用に当たっては、そのような問題に適切に対処することが不可欠であり、そのためには情報リテラシー(ICTリテラシー)を身に着けておくことが重要である

(※3) 総務省「令和3年版情報通信白書」https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/n1100000.pdf

このようにデジタル化が急激に進む社会では、「IT教育」という言葉が子どもたちの周りにどんどん迫ってきています。

そこで質問です!
皆さんは、そもそもなぜIT教育が大切だと言われているか、IT教育の先にはどのようなゴールがあるのか、ご存知ですか?

IT教育の目的は、単にパソコンの操作ができるようになる・プログラミングができるようになることではありません。IT教育の目的は、ITリテラシーを伸ばすことなんです!

そこで、ITリテラシーとは何を指すのか、どのように定義されるのか紹介していきます!

ITリテラシーとは?

社会のデジタル化に伴ってIT教育が日本国内でも広がり、ITリテラシーの重要性はますます高まってきています。

それでは、そもそもITリテラシーとは何か、どのように定義されているのか、見ていきましょう!

辞書では次のように説明されています。

文字を読み書きする能力を意味するリテラシーLiteracyから派生し、「情報技術を使いこなす能力」と「情報を読み解き活用する能力」の二つの意味をもつ。

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)

情報機器やITネットワークを活用して、情報・データを管理、活用する能力のこと。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典

上記を参考にすると、

ITリテラシーとは、インターネットなどの情報をきちんと理解・整理し正しく活用することができる力であることがわかります。

つまり、毎日私たちがSNSやインターネット上で目にする情報をちんと理解し、使いこなすことができる人は、「ITリテラシーが高い」と言えますね!

それでは、ITリテラシーの有無が子どもの将来にどのように影響するのか考えていきましょう!

人生は決断の連続であり、私たちの生活や私たち自身を形成するものは、様々な意思決定の上に成り立っています。

  • どんな物を買うのか
  • どのレストランで食べるのか
  • どんな大学に入るのか
  • どの国に留学するのか
  • どんな会社に入りたいのか

中には、普段意識していないような小さな決断から、人生を左右するような大きな決断まであるのではないでしょうか。

そんな意思決定の場において、多くの人はインターネットなどの情報を頼り、参考にするでしょう。しかし現代社会では、情報が至るところにあふれています。

そのため情報を探す・見つけることよりも、いかに多くの情報の中から適切な情報を取捨選択できるか、という力の方が重要なんです!全ての選択肢において自ら適切な情報を選び、より良い選択に繋げることが、子どもたちのより良い将来に繋がるのではないでしょうか。

だから、幼少期から高いITリテラシーを培うことは、子どもの将来の幸せに直結すると言えますね。

新型コロナウイルスの情報に関しても世の中では様々な主張や議論がなされています。しかし、中には事実に基づかない主張やフェイクニュースと呼ばれる情報も多々含まれています。

だからこそ、目にする情報の全てを鵜呑みにせず、事実と主張を分けながら自らの力で判断していくスキル(=ITリテラシー)が求められるんですね。

私たちはインターネット上に溢れる情報の中で、

  • 何が正しくて何が正しくないのか
  • 今信じようとしている情報は事実に基づくことか、誰かの意見なのか

これらを明確に見分けながら様々な視点で物事を捉え、自分の意見をきちんと持つことが大切なんです。

そして、ITリテラシーが高い人はこのような力が自然と発揮できるんです!

ITリテラシーを伸ばすには?

それでは、「ITリテラシー」はどのように培われるのでしょうか。家庭では幼児教育の一環としてどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

ここでは、ITリテラシーを伸ばす上で大切な考え方を1つ紹介したいと思います!

「パソコンを使いこなす」「プログラミングができるようになる」などのスキルを身につけることはもちろん大切です。
しかし、その前に幼少期に意識すべきことは批判的思考力なんです。

批判的思考力を伸ばそう

批判的思考力は、物事の本質を見極めるための思考の方法であり、一般的に「批判」という言葉からイメージされる”他者を攻撃する”という意味合いではありません。

英語ではクリティカル・シンキングと呼ばれ、京都大学の楠見教授は批判的思考を以下のように定義しています。

①証拠に基づく論理的で偏りのない思考

②自分の思考過程を意識的に吟味する省察的(リフレクティブ)で熟慮的思考

③より良い思考を行うために目標や文脈に応じて実行される目標指向的な思考

楠見 孝「良き市民のための批判的思考」

つまり批判的思考とは、相手の話に耳を傾け、その情報が事実に基づくものなのか、誰かの意見なのかをきちんと見分けること、そして自分の考えに誤りや偏りがないかを振り返ることなんです。

批判的思考力=何が正しくて何が正しくないのかを見極める力とも言えますね!

このような批判的思考力を身につけることができれば、インターネット上の様々な情報の中で、信頼できる情報を正しく読み取り、正確な判断や行動ができるようになります!

ちなみに最近の中学受験では、英語による受験の選択肢が増えており、その中でも特にエッセイなどを取り入れた批判的思考力を測る試験が増えてきている傾向にあります。

(東京の私立中学の半分以上がすでに英語による受験の機会を提供しています
!)

下記は、実際に出題された問題の一部です。

  •  Are Japanese companies conscientious about their female workers?(日本の会社は女性社員の活躍推進に積極的だろうか。)
  • Do you think that efforts by developed countries can help to reduce global warming?(あなたは、先進国の努力で地球温暖化を抑制することができると思うか。)
  • Should the Japanese government accept more immigrants from developing countries?(日本政府は発展途上国からの移民をもっと受け入れるべきか。)

いかがでしょうか?

批判的思考力はこれからの社会を生き抜くために必要なスキルの1つであり、日本国内でもその育成方法に関心が高まってきています。

それでは、実際にITリテラシーを取り入れた教育現場では、どのような取り組みがなされているのか、紹介していきたいと思います!

Wings Global HomeでのITリテラシーを伸ばす取り組み

Wings Global Homeでは、バイリンガル教育を行いながら、非認知能力やITリテラシーを伸ばす学習に取り組んでいます。さまざまな力の育成のために設計されている毎日のカリキュラムの例を見てみましょう。

1人1台タブレットで主体的学習の促進

Wingsでは一定の学年に達すると、子ども1人につき1台タブレットを配布し、主体的な学習を促す取り組みを行なっています。

例えば、先生に紹介された記事の中で自分の興味・関心に沿って、自ら英語でリサーチしていきます。そして調べた内容を先生や他の子どもたちに紹介・説明するところまで取り組みます。

タブレット操作に慣れていない子どもでも、少人数制のクラス(先生1人につき子ども4〜5人)環境であるため、しっかりと周りの先生がサポートしてくれます。

そして先日開催されたクリスマスリサイタルでは、子どもたちが自ら調べて作った資料を大勢の前で発表しました!

ある生徒は、ハチをテーマに「世の中からハチがいなくなったら、私たちの生活にどのように影響するか」について英語でプレゼンしています!

クリスマスリサイタルの詳しい様子は、Instagramで紹介しているのでぜひこちらもご覧ください☆

まとめ

  • 情報に溢れるデジタル社会で求められる力は、「ITリテラシー」
  • ITリテラシーとは、情報をきちんと理解・整理し正しく活用することができる力
  • ITリテラシーを伸ばすためには、まず批判的思考力を培うことが大切
  • Wings Global HomeではITリテラシーを取り入れたバイリンガル教育に取り組んでいる

参考文献

(※1)デジタル庁、https://www.digital.go.jp/about

(※2)文部科学省「1人1台端末の安全・安心な利活用について」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_01172.html

(※3) 総務省「令和3年版 情報通信白書」https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/n1100000.pdf